【北第一・二・三支部2月合同例会】リーダーシップが生み出すわくわく新ビジネス

 ~コロナで見えた自社の体質~

 報告者は石川同友会所属、株式会社水上商会の水上博司さんです。家庭用のLP ガス販売で創業、古くは地域のエネルギーインフラとして安定した顧客基盤がありました。
しかしオール電化住宅の発展や地域の過疎化等により、経営環境が厳しくなると見た水上さんは新しい事業を展開していきます。
下水道工事やリフォーム、不動産等の新事業や新たなショールームもオープンし、大企業とのパートナー契約も交わす等、「すべての人の暮らしと未来にわくわくを提供します」という経営理念を実現するため、イベントスペース「KOTO×KOTO」を作り、地域住民との交流も深めていきました。
順風満帆に見えたそんな中、コロナ禍が直撃します。売上が低迷する中、ふと見るとそこには「裸の王様」になりつつある自分の姿がありました。社員の自主性を尊重すべく仕事を任せたのは良いものの、なかなか成果が上がりません。
「自分には何の基準もなく、ただ任せていただけだった」と振り返る水上さん。いつの間にか「わくわく」することなく仕事に取り組む社員さんが増えていました。リーダーの姿勢が自社の体質に顕著に反映されることに気づいた水上さん、「わくわく」を取り戻すべく、社員さんへの問いかけ方や会社の仕組み作り、自身の想いを再度踏まえ今も奮闘しています。
社員さんを巻き込んでわくわくと仕事をするにはどうすればいか、「新しい事業への取組」「リーダーシップ」のそんな観点からのヒントが満載の例会報告です。

感想

水上さんには昨年報告をいただく予定
水上さんには昨年報告をいただく予定でした。 その時には地域に密着した新しいビジネスモデルが順調に進んでいるという成功へのプロセスと今後の展望等の内容だったはずが・・ この一年でがらりと変わった状況について。その中で事業の検証と課題にどう向きあっているかの報告でした。
順風満帆に思えた事業がまさかのほころび そこから見えてきたこと
家庭用LPガス販売で父親が創業した会社を20代で継ぎ、事業の将来性に不安を覚えた時に石川同友会に入会され、そこから多くを学び気づき、そして実践されてきた水上さん。 未来を悲観的に捉え委縮していた自分に、うまくいかないことの原因はすべてあると自覚したところから大胆な事業展開がスタート。 地域に根差したコミュニティースペースを作り、イベント型の営業で活路が開けてきました。 社員との意思疎通も円滑にできていると思い、自分の夢をどんどん追いかける毎日に充実感を覚えていた矢先、新規で立ち上げたリフォーム事業で大きなクレームが発生。 そこから社員との歯車がかみ合わなくなってきました。 ワクワクを追いかけてきた自分自身。 「私たちのワクワクを返してください」この言葉に想いを社員と共有できていると喜んでいたのは思い込みだったことを痛感しました。
もう一度社員と向かい合おう
目の前の現状に愕然とした水上さんは同友会で学んだことを改めて実践に移します。 これは理念と向かい合うチャンス 理念こそが判断基準 そこから日々の行動の一つ一つを理念と一致しているかどうかの見直しを始めます。 「モノを売るからコトを売る」 「価値を届ける」お客様の目線で考えることを意識し、社員ともその姿勢の共有を目指します。 今後に向けて今は社員の主体性を高めるためリーダーシップの育成に力を注ぐ毎日です。
様々な変遷があってこそのこれから
水上さんの報告の中で何度も使われた「ワクワク」という言葉。 最初は自分のワクワクから始まり、今では社員とも地域とも、そしてお客様とも共有ができ、今後はより繋がりが強固になっていくという実感を強く持てました。 ピンチに本気で向き合い、考え、そして取り組めば時間はかかっても必ずチャンスの芽が生まれることを痛感できた力強い報告でした。 北第一支部 株式会社エガオール 土本晶子

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