全国で10月1日スタート、過去最大の賃金引き上げが発効された
最低時給の変更
2024年10月1日より最低時給が引き上げられましたので、ご注意ください。
大阪府:1,114円(旧1,064円) 東京都:1,163円(旧1,113円) 京都府:1,058円(旧1,008円) 兵庫県:1052円(旧:1001円)
全国平均で50円(過去最大の引き上げ幅)UPしています。
上記以外の地域でも時給のUPがありますので、ご確認してください。
また、最低時給の引き上げにより、残業割増賃金25%アップ(1日8時間以上、週40時間以上)や深夜割増賃金25%アップ(午後10時から午前5時までの勤務)、休日割増賃金35%アップ(法定休日の勤務)などの賃金単価も上がりますので注意してください。
社会保険の適用拡大
2024年10月1日より社会保険の適用が拡大されます。具体的には、常用労働者数(フルタイムの従業員+就労時間がフルタイムの3/4以上の従業員の数)が51名以上の企業において、下記の条件を全て満たした場合、社会保険の加入が強制されます。
① 週の所定労働時間が20時間以上
② 月額賃金が88,000円以上
③ 2カ月を超える雇用見込みがある。
④ 昼間学生ではない。
常用労働者51名以上の企業で上記に当てはまる従業員がいる場合、10月1日以降速やかに社会保険の資格取得の手続きをしましょう。
最低時給の引き上げ、社会保険の拡大により『年収の壁』に注意!!
2024年10月からは、時給の引き上げにより、パートやアルバイトの方で配偶者の扶養範囲内で働きたい『年収の壁』が大きな問題になります。また、社会保険の適用拡大により「年収130万円の壁」と「年収106万円の壁」が重要なポイントになります。「130万円の壁」とは、配偶者の年収が130万円を超えると、社会保険への加入が義務化され、自ら社会保険料を負担することになる制度です。「106万円の壁」は、従業員数が51人以上の企業に勤めるパートタイム労働者が対象で、年収106万円以上になると社会保険に加入する義務が発生します。
- 『年収の壁の整理』 年収100万円の壁 : 住民税の非課税ライン。
年収103万円の壁 : 所得税の非課税ライン。
年収106万円の壁 : 社会保険加入の義務発生ライン(従業員51人以上の企業)。
年収130万円の壁 : 社会保険の扶養から外れるライン。
年収150万円の壁 : 配偶者特別控除の最大適用ライン。
年収201万円の壁 : 配偶者特別控除が適用されなくなるライン。
これらの「年収の壁」を理解することで、従業員の節税効果や会社の社会保険の負担額を上手に節約できます。特に「106万円の壁」や「130万円の壁」は、今後の家計運営に大きな影響を与えるため、注意が必要です。
賃金引き上げを検討する企業は、支援策や特例許可申請なども発令しているので顧問先の税理士、社労士にご相談ください。
著者
寺田税理士・社会保険労務士事務所
副所長 宗形 悠平
阪神支部
https://sai-shihou.jp/